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カスタマーリテンション(顧客維持)を実現する具体策

顧客を繋ぎとめ、継続的に売上を伸ばすために必要な「カスタマーリテンション(顧客維持)」を実現するため、実施したい対策をまとめた。

カスタマーリテンションとは何か

カスタマーリテンション(顧客維持)とは、現在の顧客に引き続き商品やサービスを使い続けてもらうため、そして「より頻繁な利用」「より高額な商品の購入」につながる顧客との強固な関係を育てるための施策を示す言葉です。

もちろん、新規顧客を獲得することにも、顧客を維持し育てるカスタマーリテンションにも、どちらにもそれぞれ異なる難しさがあります。しかし、すでに商品やサービスを使ってくれている人たちに対しての施策となるカスタマーリテンションには、新規顧客の獲得よりもコストを抑えやすい、という大きなメリットがあります。

ここでは、このカスタマーリテンション(顧客維持)の重要性を再確認するとともに、その実践について、具体例を上げながらまとめてみたいと思います。
PR BtoB企業が顧客との関係を深めるために注目している方法とは?

カスタマーリテンションの重要性

顧客維持の必要性については、説明不要ですね。商品やサービスを一度だけ購入してもらい、そこで顧客との関係を終えてしまうことと、月額等の定額制を設け、継続的に収入が得られる提供形態を用意することを比較した時、どちらが安定した成果を上げやすいかは一目瞭然です。定額制のサービスを利用している顧客には、サービスを使い続けてくれることが期待できるでしょう。しかし一方、新規顧客を獲得するためには、自分たちの商品やサービスについてまず知ってもらうところからはじめ、競合との比較に勝ち抜いて、顧客に絵選ばれなければなりません。上述の通り「新規顧客獲得コスト」と「顧客を維持するコスト」を比較するなら、圧倒的に後者の方が安く抑えられる可能性が高い、ということがわかりますよね。

しかしながらまた一方で、これは「コストがかからない場合が多い」ということを示すにとどまり「コストがかからない=放っておいても大丈夫」ということにはならない、という点には留意しなければなりません。競争が激化し、競合他社が力をつけてくれば、自社の顧客も商品やサービスの乗り換えを検討するかもしれません。また、競合がいなくとも、商品やサービスに対し大きな不満を抱えていれば、利用を停止してしまう可能性もあります。

特に、競合の存在は極めて重要です。「競合他社が存在しないビジネス」は、現在すでにほとんど存在しないのではないでしょうか。多くの場合、複数の競合他社が存在し、各社で新規顧客を取り合う状況が発生します。すべての企業がお互いに影響し合うことなく、どんどん新規顧客を開拓していく、ということは残念ながら難しいでしょう。つまり「顧客に一度選んでもらえたからといって、これからもそうとは限らない」ということを、常に頭に置いておく必要があるのです。「他社の商品ではなくこの商品を使いたい」というように、自社の商品・サービスに愛着を持ってもらう工夫を怠らず、顧客との関係を育てていきましょう。

マーケティングにおいては、顧客維持よりも新規顧客獲得のほうに注目が集まることが多いように感じますが、安定して成果を上げるために、新規顧客の獲得と同じく、カスタマーリテンションにも注力していきたいところです。
 

カスタマーリテンションの具体策

それでは、どのようにして顧客を失わず、関係を育てていけば良いのでしょうか。

まず最初にあげられるのは「競合他社の商品・サービスにはない明確なメリットを提供し続ける」ことです。自社の商品・サービスが、今現在、競合にない機能等を提供することで競争に勝てている場合、この状態を保つことにも意識を置く必要があります。現在、競合他社の商品・サービスを上回っているとしても、決して気は抜けないのです。時間が経過すれば、自社だけでなく、競合他社も進化します。常に競合について知り、顧客に自社の商品サービスを使い続けてもらうために必要な事柄を知り、対策していかなければなりません。

2点めは「継続して使うことや優良顧客になることによってのみ得られるメリットを提供する」ことです。継続利用によって得られる特典や、よりきめ細やかなサービスが受けられるようになるなどのメリットを提供することができれば、顧客にとっては競合への乗り換えを思いとどまる要素のひとつとなってくれるはずです。また、継続して利用することによって得られた顧客に関するデータから、特別にきめ細やかなサービスを提供できるかもしれません。

顧客にとって、自分の利用状況や嗜好を把握し、それに合わせてサービスを提供してくれることは特別な価値になります。不思議なもので、純粋に価値のある「良いサービスを提供する」ことと同じくらい「自分だけの対応をしてくれる」ことに満足を感じる人、そうした対応を無意識に求めている人は多いものです。誰しも「特別扱いされたい」とことなのかもしれませんね。そしてこれは「明確な価値を提供することが難しくても、顧客とのつながりをより強め、商品やサービスへの愛着を育てていくことが可能である」という重要な事実を示しています。個々に応じた細やかな対応という「メリット」の提供についても、尽力していけると良いですね。

最後に3つめは商品やサービスの機能改善など「顧客の声に耳を傾けた対応」です。上述の2点めとつながる部分もありますが、顧客からの要望、あるいは苦情をしっかりと聴き、柔軟な対応を見せていくことが顧客との信頼関係になります。商品に対する苦情や何かしらの問題を抱えたお問合せが来た時、顧客はもちろん不満を持ち、困っているはずですが、同時に「商品やサービス、そして企業に対して強い期待を持っている状態」とも言えます。「電話をかけたりメールを書いたりする労力をかけても、問題解決や、何らかの形で納得のいく答えがほしいと考えている人たち」なのです。そうした期待を持たない人たちは、そもそもお問合せをすることもなく、商品の利用をやめたり、競合への乗り換えを検討してしまっていることでしょう。つまり、お問合せをしてくる顧客に対しては、その期待にしっかりと応えることができれば、苦情というピンチを「商品やサービス、会社により強い愛着を持ってくれるチャンス」に変えられる可能性があるのです。
 

カスタマーリテンションにおける注意点

カスタマーリテンションの具体策として、上記2点め・3点めでは顧客対応に関する策をあげました。「売り手の対応に納得がいかず、商品やサービスを使うのをやめた」という経験は、多くの人が持っているのではないでしょうか。ユーザーが商品やサービスの利用をやめたり乗り換えを検討する時に「思っていた効果やメリットが得られなかった」という商品・サービスそのものに関する要因だけでなく、顧客対応に関する事柄が要因としてあげられることがよくあります。商品やサービスの機能に具体的な問題がなくても、何気なく利用したお問合せ窓口の対応が悪い(担当部署をたらい回しにされる、時間が掛かり過ぎる等々…)の問題によって、顧客を失ってしまうことも往々にしてあるのです。

さらに、上記のような問合せ時のトラブルや不満については、自分の記憶だけでなく「人から聞いたこと」人から聞いた体験談が思い浮かぶ人も少なくないのではないでしょうか。こうしたトラブルは、人に言いやすく、また記憶に残りやすいものです。現在では、直接の友人知人に伝わるだけでなく、SNSを通して1人のユーザーの体験が一瞬で広まることもあります。たまたま起こってしまった問題のある顧客対応によって、多くの人に良くない印象を強く残してしまうことのないよう、対応の強化や一律化についても進め、その姿勢をアピールしていきましょう。

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