次に、第4次産業革命に伴った実現が想定される超スマート社会(Society5.0)について。この「5.0」という部分が気になる方も多いのではないでしょうか。超スマート社会は「Society5.0」とも言われます。Society5.0は、「人類史上5番目の新しい社会」を指す言葉です。
Society1.0〜5.0までの流れ
1.狩猟社会
2.農耕社会
3.工業社会
4.情報社会
5.超スマート社会
1〜4までの社会は、それぞれ狩猟・農耕・工業・情報が、新しい価値やサービスを創出してきた社会です。第1次産業革命・第2次産業革命のあたりの時代が「3.工業社会」、第3次産業革命〜現代くらいまでの時代が「4.情報社会」にあたります。現代以降に、第4次産業革命(IoTやAIによるビッグデータ活用・自動化などによって起こる技術革新)が実現する社会が超スマート社会=Sosiety5.0、というわけですね。
この超スマート社会で人々が得られる価値については、情報通信白書(平成29年度版)にある「第5期科学技術基本計画」からの説明がイメージが掴みやすいものになっているので引用させてください。
"超スマート社会:必要なもの・サービスを、必要な⼈に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会の様々なニーズにきめ細かに対応でき、あらゆる⼈が質の⾼いサービスを受けられ、年齢、性別、地域、⾔語といった様々な違いを乗り越え、活き活きと快適に暮らすことのできる社会。"
※引用 経済産業省「【概要版】新産業構造ビジョン」
(Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」)
http://www.meti.go.jp/press/2017/05/20170530007/20170530007.html
ここにある「必要な人に、必要な時に、必要なだけ」というワードは象徴的です。ツールの進化に伴い、消費者にとっても企業にとっても、流通する情報・活用できる情報は大きく増えました。これからも増えていくことが予測されます。しかし問題は「それをどう活用するか」です。
IoTやAIなどの新技術を活用することでの情報の取得、活用に目を向ける方法もあります。しかし、Webを使って情報発信したりマーケティングを行う立場としては、ターゲットが誰か・その人達が何を求めているのか・自分たちがどうやってそのニーズを満たせるのか、といった点においてより数値に敏感になり、分析・対応を進めていく必要がある、と心に留めておくことが何よりもまず大切ではないでしょうか。
最新技術を活用したツールを導入していなくても、ソーシャルメディア上やCMS、アクセス解析ツールなどに日々データは溜まっていきます。毎日の顧客やターゲットとのやり取りに、重要なヒントが隠れている可能性もあります。しかしこうしたデータただ眺めるだけになっている、というケースは少なくありません。数値はただ眺めるだけで、結局は感覚で判断してしまう、という場面に心当たりはないでしょうか。
新時代の到来・新しい技術やツールの活用に目を向ける前に、まずは自分達の手にどのようなデータがあるか、活用できているのか、できていないとすれば足りないものは何か?という点について、振り返り、着実に対応を進めていきたいところです。
※参考 総務省「情報通信白書 平成29年版」
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/h29.html