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シェアリングエコノミーとは?マーケティングに与える影響は

個人と個人が、資産の貸し借りをするサービス「シェアリングエコノミー」が伸びている。ここでは、シェアリングエコノミーの概要と、マーケティングに影響を与える可能性のある点について取り上げる。

今後伸びてくるサービスを知るメリット

個人と個人の取引を仲介するサービスが多様化し、規模が大きくなってきています。たとえばクラウドソーシング。クラウドソーシングは「仕事を頼みたい人」と「仕事をしたい人」を結びつけるマッチングサービスですが、スキルという個人の資産をやり取りするサービスであるとも言えます。

クラウドソーシングは、専門的な仕事の低価格化を促進する、トラブルに発展しやすいなど、問題点も多く話題になってきました。しかし、多くのユーザーを獲得し、ビジネスやマーケティングに影響を与えているのも確かです。

例として、コンテンツマーケティングが勢いを増し、多くの企業がブログやオウンドメディアで多数の記事を発信し続けている背景には、クラウドソーシングによって記事発注の敷居が下がったことが大きく影響していることが見てとれます。同様に、今後伸びてくると予想されるサービスには、今後のビジネス展開やマーケティングにおいて役立つ、さまざまなヒントが隠れているのではないでしょうか。というわけで今回は、今後の市場拡大が目される「シェアリングエコノミー」を取り上げてみたいと思います。

シェアリングエコノミーに類するサービスは、日本国内ではまだまだ普及はこれからといった印象です。しかしながら、総務省による情報通信白書(平成27年度版)では「2025年までに現在の市場規模が二十倍以上になる」という予測データが紹介されています。クラウドソーシング等と同じく、ビジネスやマーケティングに大きな影響を与える可能性のあるシェアリングエコノミーとは何か?という点から、まずは押さえておきましょう。

※参考 総務省 情報通信白書 「シェアリング・エコノミーとは」
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/html/nc242110.html
 
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シェアリングエコノミーとは

シェアリングエコノミーとは、個人の資産の貸し借りを仲介するサービスです。

ブランドものの服やバッグ、自家用車、駐車場、別宅などなど「持ち主が常に使用しているわけではない資産」というものがあります。シェアリングエコノミーは、そのような資産を、所有者が使っていない間だけ他者に貸し出すことで、サービス運営側・資産を活用できずにいる人・資産を必要とする人、三者それぞれに利益を出すという訳ですね。

シェアリングエコノミーに類する代表的なサービスとしては、部屋や不動産を貸し借りするAirbnbがあげられます。Airbnbは、世界中に展開し、自分の不動産資産を貸したい人と、宿を借りたい人を結びつけています。公式サイトによると、現在、日本を含めた全世界191国以上、200万件以上の物件が登録されているそうです。すごい規模ですね。
 

Airbnb

https://www.airbnb.jp/

なお、個人間で部屋や物件を貸し借りするとなると、安全面や衛生面、万一事故が発生してしまった場合の対処など、心配なことがたくさんありますよね。Airbnbでは、この問題を部屋の貸主(ホスト)と借り主(ゲスト)の双方向レビューや、ソーシャルメディアアカウントと連動させての個人認証、最大1億円までのホスト保証等でカバーしています。

また、位置情報を利用したアプリ上でドライバーと移動ニーズを持った人をマッチングするサービスUberも、シェアリングエコノミーの有名なサービスです。現在、東京を含む、全世界487都市で使えます。
 

Uber

https://www.uber.com/

Uberでも、ドライバー・利用者双方で、どんな人がくるのか、事故が発生したら……など不安要素は多いですよね。UberでもAirbnbと同じく、双方向のユーザーレビューを導入しており、乗車前にお互いに確認することができるほか、安全対応のための24時間体制のサポートが用意されています。なお、支払いはアプリ上の決済で完結しに現金は使わないので、この点については従来のタクシーより安全・便利と言えるかもしれませんね。

ちなみに、Uberはドライバーに支払う補償金で多額の出費を抱えていることもたびたび話題になっています。これは明らかなマイナス面のようですが、プラス面でもあります。少なくとも、支払われるべき補償が支払われない…といった事態には陥らないだろう、とドライバーが思える要因にはなるでしょう。多くのユーザーを獲得し、シェアリングエコノミーや個々のサービスが定着するまでは必要な支出、ということなのかもしれません。

・Uber、今年の上半期だけですでに1300億円以上の赤字を抱える
http://japanese.engadget.com/2016/09/06/uber-1300/

・米国ライドシェア保険と保険市場の拡大
https://newsroom.uber.com/japan/insurance/
 

サービスそのものやユーザーが成功するため必要なもの

シェアリングエコノミーが市場を拡大するために重要なのは「信用」でしょう。これは、現在AirbnbやUberにある機能(双方向のユーザーレビューや補償など)からも見てとれます。新しい形式のサービスのため、ユーザーの立場からしてみれば利用に踏み切るためには、安心感がほしいですよね。

また、個々のサービスのユーザーが大きな利益を得るためにも、同じ「信用」が必要となっています。自分の資産を貸し出したいユーザー=競争相手が多くて価格も大きくは違わない、という状況の中で、選択の根拠となるのは個々のユーザーが積み重ねた実績やレビューです。

前述した総務省・情報通信白書では、各種サービス上で得た個々のユーザーの評価を収集したり、ソーシャルメディアと連携したりすることで「個人の信用を可視化するサービス」もシェアリングエコノミーに付随して登場していることが紹介されていました。

「信用を勝ち取り、自社を選択してもらう根拠とする」という点は、シェアリングエコノミーだけでなくマーケティングに取り組む多くの企業で課題となっている重要なポイントですよね。この点についても、シェアリングエコノミにキーポイントが隠れていそうです。
 

「信用」を積み上げる方法


シェアリングエコノミーでは、個々のユーザーが信用を獲得する方法として、下記のような手段を用意し推奨しています。

・運営側に個人情報を提供し「身元が明らかな人である」という認証を受ける
・ソーシャルメディアアカウントと連携し、身元や人となりを公にする
・サービスにおける利用実績を重ねたり、取引相手からの良い評価を得る
・自分個人や資産についてできる限り詳しく情報を明かす
・取引相手と細やかに連絡を取る

身元を明かす、製品について詳しい情報を明かすなど、ごく簡単なこともありますが、信用に足るソーシャルメディアアカウントを所有しているか、公開できるユーザーからの評価はどれほどあるかなど、企業にとってもハードルの高いことも含まれていますよね。

このような点をクリアできるか否かは、これからのマーケティングを成功させる上でさらに重要なポイントとなってくるのではないでしょうか。担当者の個性を前面に出してのコンテンツ作成やソーシャルメディアアカウントの運用をしていたり、率直なユーザーレビューを多く公開している企業に対して、商品やサービスへの身近さや信頼性を感じるのは確かです。

シェアリングエコノミーが広まり、このハードルを超える個人が増えてくれば、それに伴って企業のマーケティングにおいても同様の取り組みの重要性がさらに高まってくるのではないでしょうか。

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