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顧客データ活用のファースト・ステップ

顧客データベースやアクセス解析データを有効活用できているだろうか。顧客データ活用のメリットと、基本的な活用方法についてまとめた。

顧客データ分析のメリット

顧客やサイトの訪問客、SNSアカウントのフォロワーなど、自社と関係を持つ人たち=「顧客や顧客となり得る人たち」の行動や属性などのデータの活用方法は、いくつかありますが、大きな柱のひとつとしてはやはり顧客満足度の向上があげられます。

顧客や見込み客からどんなお問合せがあるのかがわかれば、商品やサービスの問題を把握し、改善していけますよね。仮に商品やサービスについて顧客からクレームが入ったとしても、素早く問題を改善できたり、顧客に満足してもらえる誠実な対応ができたなら、かえって会社の信用度が上がり、より熱心なファンになってもらえることもあります。

しかし、そうした理想的な対応を実現のものとするためには「解決に向けて即座に対応すべき問題なのか、さほど重要ではない問題なのか」を素早く判断し、対応できる体制が整っていなければなりません。その判断に役に立つ情報のうちのひとつが、顧客データです。
 
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顧客データ分析の課題

顧客データを分析し、顧客満足の向上やマーケティングに役立てるためには、日々多くのデータを入手・管理しなければなりません。情報を得るためのシステムやツールを整え、日々のデータから問題点を探ったり、施策による違いを比較するなどの地道な作業を日々実施していく必要があります。しかし、この日々の積み重ねは、重要とはわかっていても、難しい場合も多いのではないでしょうか。

顧客からのお問合せに対応したり、コンテンツを作成してサイトを更新するなど、その他の業務には直接的なクレームにつながる可能性があったり、検索順位やアクセスの状況に影響があるなど、目に見えるはっきりとした影響が現れます。しかし、日々コツコツと顧客データ分析を行っていなかったとしても、多くの場合、売上などの直接的な数値に劇的な変化があるわけではありません。このことから、顧客データ分析をついつい後回しにしてしまうという人は少なくないはずです。

しかしながら、そうした状況では、表面上は見えにくくとも、かえって非効率的な対応をしてしまっているなど、無駄が発生している可能性もあります。見当違いな施策に注力してしまう、成果の得にくい顧客層の対応にばかり時間を取られてしまうなど、機会を損失してしまっていないでしょうか。

たとえ現在、いろいろなことがうまくいっていたとしても、新しいチャンスにつながるごくわずかな変化を見逃さないため、しっかり準備をしておきたいところです。

顧客分析においてすべき2つのこと

(1)顧客層の切り分け

「あなたの会社の顧客やサイト訪問ユーザーは、どんな人ですか?」と聞かれた時、すぐに明確な答えができるでしょうか。

顧客データを分析するなら、まずは、顧客やサイトの訪問ユーザーの層の切り分け、それぞれどんな人たちなのかを把握していくことが大切です。こうした顧客のイメージはペルソナとも呼ばれ、適切な商品・サービスの提供やマーケティングにつなげるための重要な視点です。

性別、年齢居住地などの個人の属性や、サービスの利用状況/商品購入履歴など、複数の条件を組み合わせて、顧客のイメージを作ってみましょう。たださまざまな条件から断片的に顧客データを眺めるだけでなく、さまざまな切り口を組み合わせて「どんな人なのか」、人物として具体的なイメージを作ってみてください。この作業により、適切な顧客対応やコンテンツ作成について、ぐっとイメージしやすくなるはずです。成果をあげやすくなるだけでなく、効率化も測れる場合もあります。

また、個々の顧客でなくそれぞれの層のボリュームや購入傾向など、重要な顧客層・そうでない層など、顧客やターゲットの全体像についても意識してみてください。さまざまなタイミングで「どんな層に」「どんな変化があったか」がいち早く掴めると良いですね。
 

(2)一部の顧客層に向けた対応

たとえば「今月は売上が芳しくない!何か対策を……」と思った時、良いと思われることをとにかく全部やって成果を上げる、ということは現実的ではありません。しかし、切り分けられた顧客層を調査し「既存の顧客のリピート率が下がっている」「新規顧客が伸び悩んでいる」というように多くの問題を抱えた顧客層を割り出し、解決できそうな問題を見出すことができれば、とるべき施策が絞りこまれ、手を打ちやすくなるでしょう。

こうして問題を整理し、取るべき対応を明確にできるのが顧客データ分析の大きなメリットです。膨大なデータを活用してものごとを整理することで、施策の優先順位や効果的な施策を明確にできます。たとえば顧客単価を上げたいと思うなら、顧客データを分析して顧客単価の高い層を割り出すことで、その層になり得るその他の層を見つけ、問題を改善することで目的が達成できるかもしれません。「これがあればもっと高額な取引ができるのに」と思っている層を探し出せたら良いですよね。

また、このようにターゲットを絞り込んで施策を実施するためには、顧客層の把握だけでなく、目標設定も明確しておく必要があります。目標を立て、目標達成のための仮説をたて、施策を実行するというプロセスにおいて顧客データは大いに役立ちますが、そもそもの目標設定が曖昧であれば、仮説も曖昧になり、せっかくのデータも何をどう活かせばいいのかわからなくなってしまうでしょう。

だれに、どうアプローチするのかを決めるために

と、このように、顧客データを分析することは「次の行動の決定」に役立ちます。目標(顧客満足度の向上や売上向上)に向けて、自社の顧客のどの層に対し、どのように対応していくかを決めるプロセスにおいて、重要な手がかりになってくれます。

すでに顧客層の把握はできているという場合は、反対に「問題を抱えているのはどの層なのか」「多くの利益をもたらしてくれる層は」「個々の利益は少ないものの純粋に数の多い層は」というように層ごとの特性について掘り下げることから、目標をたててみるのも良いかもしれません。

とにかくまずは顧客や訪問ユーザーについて知り、層ごとの特性や利益率を把握することからはじめてみてください。そこが把握できれば、問題解決や今後の戦略、顧客対応の改善や効率化につながっていきます。

また、こうした顧客データを整理し、把握することは新しい取り組みを始める時、非常に役に立ってくれます。明確なデータを提示することができれば、予算のかかる施策を実施する上で上司や周りの人たちを説得する材料になりますし、協力も得やすくなるはずです。

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