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ファン獲得・育成の自走装置!?コミュニティマーケティングとは

近年注目を集めるワード、コミュニティマーケティングとは何か。効果を生み出す構造や利点、事例をまとめた。

コミュニティマーケティングとは

コミュニティマーケティングの「コミュニティ」は共同体のことです。仕事や趣味など、共通点を持って交流する人たちの集団を指します。職場や地域、ソーシャルメディア上など、いろいろな場所に、いろいろなコミュニティがありますね。Twitter上では、「◯◯に興味を持つ人たち」=コミュニティを示す◯◯クラスタという言葉がよく使われた時期もありました。政治クラスタ、ネタクラスタなど……。

コミュニティマーケティングでマーケティングのターゲットとなるのは、「自社の商品やサービス、ブランドに関心を持ち、それを共通点として集まる人たちのコミュニティ」です。商品やサービスのユーザー・ファン同士のコミュニティを形成し、そこから顧客インサイトの収集や、顧客ロイヤリティを強化を行います。

ここでは、コミュニティマーケティングが効果をあげる背景や、具体的な事例についてご説明します。コミュニティマーケティングはつながりの形成を重視する仕組みであり、ソーシャルメディアを利用したマーケティングとも共通する部分が多くあります。ソーシャルメディアの活用に費用に見合った効果を見いだせない、苦手意識がある、という方も、ぜひ目を通してみてください。

コミュニティマーケティングやソーシャルメディアマーケティングは、時間はかかるものの、うまく動き出せば容易には他者には真似できない、大きな財産をもたらしてくれます。
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コミュニティマーケティングの利点


コミュニティは、共通点を持つ人たちの集団です。同じ趣味を持っている、同じ目的を持っているなど、共通点を持つ人たちが集まれば、そこでは情報交換や助け合い、コミュニケーションが発生します。

そうして生まれた情報やコミュニティ間の絆がコミュニティ(コミュニティマーケティング)の財産です。コミュニティに属す人たちにとっても、コミュニティマーケティングを実施する側にとっても、大きな価値をもたらしてくれます。

コミュニティマーケティングを実施する側にとっての利点は、主に「顧客インサイトの調査に役立つ」「顧客ロイヤリティを強化できる」の2点です。
 

【コミュニティマーケティングの利点】

1.コミュニティで発生する情報から顧客インサイトを知ることができる
2.コミュニティの絆が顧客ロイヤリティになる
 

コミュニティマーケティングの利点1.顧客インサイトの調査に役立つ

商品やサービスのユーザー同士のコミュニティとしてよくあるのは、ユーザー同士が質問や回答を投稿しあう掲示板です。

・Google ウェブマスター向け公式ヘルプ フォーラム
https://productforums.google.com/forum/#!forum/webmaster-ja

・クラウドワークス みんなのお仕事相談所
https://crowdworks.jp/consultation

困ったこと、わからないことをユーザーが随時投稿し、ベテランユーザーが答える。この流れで掲示板が活発に動けば、企業にとってはサポートに大きなコストをかけず、顧客の困りごとを迅速に解決できるお役立ちツールになります。もちろん、顧客のニーズを知る重要な場としても機能します。

チャットツールを提供するチャットワークでは、ユーザー同士のよろず相談掲示板という形でなく、サービス運営側に直接、意見や要望を投稿するための場としてフォーラムを用意しています。(筆者も機能についてサポートに質問した際に、フォーラムに誘導されたことがありました。)

・ChatWork ご意見・ご要望フォーラム
http://feedback-ja.chatwork.com/forums/269086-chatwork

チャットワークのフォーラムでは、意見・要望を投稿できるほか、同意できる投稿に投票したり、投稿にコメントをつけることでユーザー同士のコミュニケーションを取れます。これにより、ユーザー同士のコミュニケーション機能も維持しつつ、運営側が有益かつ効率的な情報を取り出せる、というわけですね。うまくできています。

こうした掲示板を見ていると、直接運営側に問い合わせるのではなく、掲示板に投稿するほうが気楽、という人も多いことを実感します。運営との直接的なコミュニケーションではないからこそ、率直な声が投稿されるケースもあり、顧客の声を収集するための、非常に有効なツールと言えるでしょう。
 

コミュニティマーケティングの利点2.顧客ロイヤリティを強化できる

意見・要望の掲示板は、困っているユーザーにとって、運営に問い合わせるよりも気軽に質問ができる・早く疑問を解決できる(かもしれない)、というメリットがあります。もし解決ができなかったとしても、同じような疑問を持つユーザー同士でコミュニケーションを取ることで、不安が解消し、解決につながるケースもあります。

またその一方で、回答するベテランユーザーの側でも、ユーザー同士でコミュニケーションを取ったり、サービスに貢献することに価値を感じてもらえるケースが多くあります。上であげたGoogle公式フォーラムやクラウドワークスのお仕事相談所でも、多くの質問に答えたり、感謝されたりしたユーザーを評価されるシステムやランキングなど、コミュニケーションを活発にするための仕組みを工夫しています。

コミュニティに属し、質問の投稿や回答などのコミュニケーションをとっていると、コミュニティそのものへの愛着が生まれます。それが商品やサービスへの愛着、顧客ロイヤリティの向上につながっていくわけですね。

ファン獲得の重要性

Webには情報が溢れていて、ほとんどの業界では競合との熾烈な競争が存在します。どんどん世の中が便利になり、ユーザーに「どうしても必要」と思ってもらえる新商品や新機能を開発することも、難しくなってきています。商品やサービスの良さを実直にアピールするだけではなかなか見つけてもらえない、選んでもらえないと悩みを抱える方も多いでしょう。

そんな状況の中、商品やサービスを見つけてもらうため、選んでもらうために有効なのが、企業やブランドのファンを獲得し、育てることです。ファンを獲得する方法には、役立つ情報をブログで発信してユーザーに貢献するとか、ソーシャルメディアアカウントを運用してユーザーとコミュニケーションを取るなど、「商品を買ってもらうこと」とは一見結びつかない、従来とは異なるアプローチが必要です。

今回取り上げたコミュニティマーケティングも、ファン獲得の有効な手段です。企業とユーザー間だけでなく、ユーザー同士のコミュニケーションを促進する場所や仕組みを用意しましょう。そのコミュニティに関わりを持てばもつほど、コミュニティや商品・サービス・ブランドへの絆を育っていきます。

オウンドメディアを運営し、広報担当者のキャラクターを前面に打ち出したコンテンツを作ったり、ソーシャルメディア上で活発に(かつ適切に)コミュニケーションしていくことは有効ですが、メディアではない企業にとってはどうしても敷居の高いものです。企業によっては、ユーザー同士の交流の場を用意し、ユーザーの表彰やランク付けなどコミュニケーションのモチベーションになる仕組みを作るほうが効果的な場合もあるでしょう。ファン構築の有効な手段のひとつとして、検討してみてはいかがでしょうか。

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