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行動履歴からマーケティングに使える具体的な施策を見つけるには

コンテンツマーケティングに大きな注目が集まった2014年。今後は、より大きな成果を上げるための改善に、関心が集まってくるのではないだろうか。ここでは、改善のための貴重な情報源となる行動履歴分析の方法を取り上げた。

注目!コンテンツマーケティングについての調査レポート 2015年版

今年になってから、国内のコンテンツコンテンツマーケティングについての調査レポートが2つ公開されました。

(1)600名に聞いた!コンテンツマーケティング調査レポート 2015年版
http://econte.co.jp/resource/cmreport2015/
※コンテンツマーケティングのためのコンテンツ提供を手がける会社エコンテによる調査レポート(2015年1月22日公開)

(2)日本国内BtoCマーケターによるコンテンツマーケティング調査レポート2015年版
http://www.ginzametrics.jp/blog/content-marketing-research-japan-2015
※SEO分析/サイト解析ツールを提供するGinzametricsによる調査レポート(2015年2月2日公開)

どちらも評価基準や運営方法など、興味深い調査データをたくさん公開されています。興味のある方は、ぜひ見てみてください。
PR BtoB企業が顧客との関係を深めるために注目している方法とは?

2015年もコンテンツマーケティングは激化傾向

上記レポートの内容で特に気になったのは、今後の展開に関する回答です。コンテンツマーケティングを実施している企業の多くは、その確かな成果を感じ、今後はさらに更新量を増やしたい、と考えているようですね。

また、こうした情報公開によって、コンテンツマーケティングそのものへの注目度もさらに高まってくるでしょう。「良質な情報発信」はSEOにおける重要事項でもありますから、人気キーワードでの検索上位の競争も、ますます激化しそうです。

こうした状況の中、競合他社に負けない情報発信をしていくために必要なのは「情報発信の精度を上げること」です。

先のレポートでは、情報発信の活性化を今後の予定としてあげる企業が多い一方、現在抱えている課題として企画力やノウハウ、リソースの不足をあげる企業が多かったことも目につきました。やはり、情報の質を保ちつつ、活発な情報発信を続けることに難しさを感じている企業が少なくない、ということなのでしょう。

長い前置きになりましたが、今回のテーマは、そうした課題を解決し、価値ある情報発信とスピードアップの両立の第一歩ともなり得る「行動履歴分析」です。

行動履歴からわかること

たとえばGoogleでは、ユーザーの検索キーワードや検索結果ページでの行動(ページや広告のクリックなど)、閲覧環境などの情報を収集しています。これらの情報から、ユーザーの興味関心を特定し、より適切と思われる検索結果を表示するわけですね。

このように、Web上の行動履歴は「相手が何を必要としているのか」を確認できる貴重な情報源です。コンテンツマーケティングを実施しているサイトにおいては、これに加えて「今、それを提供できているか」の答え合わせのためのデータとしても使えます。

キーワード調査ツールやアクセス解析データをなどを元に需要あるテーマや切り口の「仮説」を立て、その結果を行動履歴で確認してみることで、PVやコンバージョンなどの最終的な数値だけでは見えないことがわかってきます。
 

PVやコンバージョンの測定だけでは足りない理由

コンテンツマーケティングやSEOの評価指標としては、PVやコンバージョンがよく使われます。しかし、月間PVがどのくらいだった、コンバージョンが何件だった、という数値だけでは、現状の施策の方向性の良し悪しを判断することはできても、より大きな成果を得るための具体的な改善点を知ることはできません。これらのデータはあくまで「総合評価」です。

一方、閲覧履歴・行動履歴など、最終的な評価指標以外の数値は、具体案につながる情報が得やすいデータです。どのような記事がどの程度読まれているのか、個々の訪問ユーザーはサイト上でどんな行動をしているのか……などを知ることで、より良いテーマ選びやタイトルの付け方、サイト構造など、具体的な改善点のヒントを見つけることができます。
 

個人情報の扱いについて

メルマガ登録や資料取得のかわりにメールアドレスを提示してくれたユーザーに個別にメールを送信するなど、行動履歴を収集し、訪問ユーザーひとりひとりのタイミングに合わせてアプローチすることも、法的・技術的には可能です。

ですが実際には、たとえ長期的に何度もサイトを訪れてくれているリピーターであっても、突然個人を特定したメールをしたり、電話したりするのはあまり現実的ではありません。アクセス解析によって個人情報を収集されたり、閲覧履歴によって広告表示されることにも抵抗を感じる、という人もいます。個人が特定できるレベルでの行動履歴を含む個人情報は、営業活動において(法的に問題はなくとも)扱いの難しいデータです。

また、商品やサービスのターゲットにもよりますが、BtoBのコンテンツマーケティングの場合、訪問ユーザーの個人情報(年齢層や性別、職業など)が発信すべき内容に与える影響はそれほど大きくありません。詳細なペルソナ設定がコンテンツに統一感を持たせるために有効ですが、それ以上の具体的な活用となると、なかなか難しいのが実情です。

顧客として直接やり取りするようになってからは、閲覧履歴・行動履歴をもとに細やかなコミュニケーションができるかもしれません。しかし、新規の見込み客の開拓においては、個人の属性を細かく分析するよりも、あくまで「ひとりの訪問ユーザー」として行動に着目したほうが、限りある時間を価値あるデータに変えられるはずです。

見ておきたい行動履歴・具体的な項目と改善ポイント

(1)リピート率・滞在時間・閲覧ページ数

価値ある情報発信ができているか、テーマ設定が的外れになっていないかなど、情報発信の内容について明確に現れるのがこれらの数字です。

たとえば、外注を利用して安いコンテンツを大量に公開した場合、一時的にPVが増える可能性があります。しかし、コンテンツが訪問ユーザーの満足する水準を満たしていなければ、彼らはすぐに立ち去ってしまうでしょう。コンバージョンやリピーターの増加も期待できません。外注によるコンテンツ生産を試すなら「このくらいの質であれば効果があるはず」という仮説と計画のもとにコンテンツを発注し、上記項目を確認してみてください。

(2)流入経路・コンバージョンルート

検索・SNS・メルマガ・広告など、Webサイトへの流入経路はさまざまです。それぞれの費用対効果を確認したり、改善点を視覚化するためには、それぞれの経路の貢献度を知る必要があります。

また、コンバージョンがメールアドレスの獲得である場合、それを最も効率よく実現してくれる方法は流入経路によって違っているかもしれません。たとえば、検索からの流入した訪問ユーザーはメルマガ登録者が多く、広告からの流入した訪問ユーザーはホワイトペーパーのダウンロードが多い、といった傾向が現れることもあります。個々のブログ記事の「ゴール」をどこに設定するのか、という判断をするために、これらの情報が有益なヒントになるでしょう。

行動履歴分析から見えてくること

上記のような行動履歴を見ていると「繰り返しサイトを訪れてくれている熱心なユーザーがどのくらいいるのか」がわかってきます。

この層には、まだ問い合わせも資料請求もしていないリード未満の人たちも、既存の顧客も含まれますが「こちらの提供する情報に価値を感じ、信頼してくれる人たちである」という共通点があります。サイトに繰り返し訪問してくれるのは、情報を有益だと思ってくれるからでしょう。そうした信頼関係は、大きな財産になります。

行動履歴データを元に、その人たちとの接点がいつ・どうやってできたのか、どんな時に再訪問してくれているのか、コンバージョンに至らない場合は何が原因なのか、ぜひ調べてみてください。
 

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