写真やイラストなどの視覚的要素をどう使うかは、人気コンテンツを作るための重要なポイントです。Googleの画像認識技術も向上しているため、適切な画像を利用することは有効なSEOにもなるということは、過去記事でもご紹介しました。

・画像でSEO！検索順位アップにつながる適切な画像を選ぶ方法
http://unify.pagez.jp/blog/how-to-choose-the-appropriate-image-leading-to-search-order-up.html

今回のテーマは、これまでになかったタイプの画像素材と出会える、新しいタイプのストックフォトサービスです。

ブログ記事などのWebコンテンツに使用する画像を用意する方法としてもっとも簡単なのは、無料の素材サイトを利用することです。著名なメディアサイト・大規模な企業が運営するサイトでも、無料素材を本当に良く見ます。驚くほど高品質な画像を提供している無料サイトもたくさんあるので、無料素材がおおいに活用されているのでしょう。

しかし、無料で画像を探す時には、クリアするのが難しい課題が2つあります。1つは、求める内容にぴったりと合致する素材がなかなか見つからないこと。2つめは、使いやすい人気の素材は多くのサイトですでに活用されており、オリジナリティに欠ける可能性があることです。

素材数の多さを誇る無料サイトでも、やはり有料に比べれば限界があります。マイナーなテーマの記事にマッチする画像を探している時など、イメージにあった素材がなかなか見つかりません。また、反対に多彩なテーマに合致する使いやすい素材は、同じように素材を探しているその他の人の目にも留まりやすいのでしょう。すでに多くのサイトで使われている、ということもあります。オリジナリティに欠けた素材を使うことは、読み手に与える印象も、SEOの観点からの効果も、プラスにはなりません。

ニッチなテーマを扱っているためイメージ通りの画像が見つからないなど、画像探しに悩みがあるなら、有料でオリジナル画像を用意することも検討していきましょう。

しかし、有料で画像を用意するといっても、完全なオリジナル画像を用意するのはハードルが高いですよね。対象の撮影や、イラスト作成込みのオリジナルコンテンツを作る（あるいは発注する）となると、手間もコストもかかります。誰に、どうやって頼んだらいいのかわからないというケースもあるでしょう。

そうした状況の中活用されているのが、従来の有料のストックフォトです。有料のストックフォトの利点は、無料に比べて質の良い画像が手に入るということだけではありません。大手のストックフォトには、ニッチなキーワードにマッチする画像も幅広く揃っています。検索機能やサジェスト機能も充実しているため適切な画像を見つけやすいことや、有料という点が障壁になり、他サイトとの画像の"被り"が発生しにくいこともメリットと言えるでしょう。

有料のストックフォトでは、1枚数百円から（1ヶ月数万程度の月額プランに加入すれば1枚数十円から）画像が買えます。毎日複数の記事を公開しているなど、発信する情報量の多いサイト、ニッチなテーマを扱うため画像選定が難しいといったサイトでは特に、有料のストックフォトを使うことでコンテンツの質をあげられる可能性が高くなります。ぜひ検討してみてください。
 

しかしながら、従来の、有料のストックフォトにも実は弱点がありました。たとえば、ロゴを含む画像など、商標に関わる素材は販売されていません。また、商品として流通している以上当然のことではありますが、一定以上の「質」を持ったものが販売されています。一例をあげると、スマートフォンで撮影し、加工した何気ないスナップなどは出品されていません。

幅広いテーマの画像素材が揃うといっても、上記のような規制によって棚に並ぶ素材が絞りこまれる結果、有料ストックフォトに並ぶ素材は、ソーシャルメディアでユーザーが日々投稿している写真やイラストとは大きく印象の異なるものになります。

この弱点を埋めるように登場したのが、新手のストックフォトサービスです。

・スナップマート
https://snapmart.jp/

スナップマートで売り買いされているのは、いわば「素人の写真」です。スマートフォンを使って気軽に写真を撮影し、InstagramやTwitterで投稿している人はたくさんいますよね。専門家でないにも関わらず、多くのフォロワーを獲得している人も少なくありません。

スナップマートは、スマートフォンで撮影した画像を売ってお小遣い稼ぎをしたい人と、それを手に入れビジネスに活用したい人をつなぐためのサービス、という説明がわかりやすいかもしれません。
 

ソーシャルメディアでは、プロのモデルが笑っている写真を使った広告よりも、友人やいつも投稿を見かけるユーザーなど、自分とつながりのある人たちの写っている写真や、その人たちが訪れた場所、興味を持った物事など、身近に感じる写真のほうがクリックされやすい傾向にあります。自分の体験に置き換えてみても、そうした「宣伝らしさのない画像」のほうが目に飛び込んでくると思いませんか。

しかし、これまでは、ブログのアイキャッチやウェブ広告に、ソーシャルメディアに投稿されているような何気ない写真を使いたいと思っても、手に入れる手段がありませんでした。どうしても画像が使いたい時には、投稿ユーザーに直接アプローチして写真を買い取ったり、掲載許可を取る必要がありました。話題のテーマで画像がパッと欲しいと思っても、これではなかなか難しいですよね。

ここに目を付けたのが、上記の新手のストックフォトです。スナップマートでは、欲しい写真が投稿されていなければ、写真の買い手側が賞金を設定してコンテストを開催し、写真の投稿を促すこともできます。2016年8月上旬には、ポケモンGOの画像コンテストが開催されていました。

※参考 スナップマート
「「ポケモンGO」×「あなたの街」」
https://snapmart.jp/contests/28

トレンドの話題をいち早く取り上げるスタイルのサイトや、多くの画像を必要とするサイトでは、大いに活用できるはずです。素材に困った時には、ぜひ覗いてみてください。
 

従来からある大手ストックフォトサービスでも、新しく登場したストックフォトサービスと同じく、ユーザーが投稿し、運営側の審査にパスした画像が商品として並べられるシステムを取っています。

しかし、上記の通りスマートフォンで撮影・加工した画像は出品できないなどさまざまな規制や審査があるため、商品として陳列されるのは、一定の質を保った画像です。従来のストックフォトがコンビニとするなら、新しいタイプのストックフォトはより多彩な売り物がならずフリーマーケットや手作り市のようなサービスと言えるかもしれません。

なお、スナップマートでは、出品から報酬の受け取りまで全てスマホで行うことができます。プロユースの素材を作って売ろうということではなく、ソーシャルメディアに投稿した自分の写真をついでに売ってお小遣い稼ごうという方向性です。投稿される画像が従来のストックフォトと違ってくるのは当然といえば当然かもしれませんね。

また、新しいタイプのストックフォトが定着すれば、Web上で見る画像が変化し、それに伴ってWebコンテンツの作り方も変わってくるかもしれません。使用可能なリソースを把握し、時代にマッチした、最大限効果的なコンテンツ作りをしていきたいものですね。

なお、新しいタイプのストックフォトは写真をメインにしたものですが、イラストや漫画の場合も、雑誌などの印刷物でみかけるきっちりと完成されたものだけでなく、ぐっとラフで親近感のあるものがWeb上で多くの人に読まれ、拡散されているのを良く見ます。

・フェイスブックポリス
https://note.mu/nora_ito/n/nacec941db6a8

もちろん、ラフなタッチの写真やイラストを使うだけで効果が出るという訳ではなく、内容あってのものです。しかし、長期的にWebコンテンツの制作に取り組むなら、自分のサイトやコンテンツに手作り感や身近さといった要素をどう使うか・活用できるかという点も、一度じっくりと考えてみると良いかもしれませんね。