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お問合せを「トラブルの種」でなく「チャンスの種」に育てよう

顧客からのお問合せが「チャンスの種」でなく「トラブルの種」になってしまっていないだろうか。ここでは、お問合せを顧客との信頼関係づくりの第一歩、そして重要な情報源に変えるために必要な基礎準備についてまとめる。

お問合せを「次のステップ」につなげよう

見込み客からのお問合せ・顧客からのお問合せを、スムーズに「その先」につなげることができているでしょうか。

見込み客からのお問合せは、もちろん直接的な売上につながるチャンスです。一方、顧客からのお問合せは、より絆を深め、商品やサービスにより強い愛着をもってもらえるための貴重な機会であり、商品やサービスを提供する側にとっては、今後の方針や改善のヒントにつながる貴重な情報源でもあります。

しかし残念ながら、こうしたお問合せから情報を吸い上げうまく「次のステップ」につなげられないケースも実際には多いのではないでしょうか。「次のステップ」につなげるためには、誠意を持って丁寧に対応するだけでなく、重要なポイントを押さえた対応や、情報をすくい上げる仕組み作りが欠かせません。

オウンドメディアやコンテンツマーケティングに力を入れ、商品やサービスのファンや顧客を獲得できたとしても、その先で初歩的なミスを犯し、信頼関係を築くことに失敗してしまってはもったいないですよね。

ここでは、主に顧客からのお問合せ対応において発生しがちな問題とその対処方法を整理し、お問合せというチャンスを、最大限有効活用する方法についてまとめてみたいと思います。
PR BtoB企業が顧客との関係を深めるために注目している方法とは?

熱意があっても失敗しがちな2つのポイント

お問合せには、大なり小なり「困っていること」「解決したい問題」が書かれています。対応時には、この「困っている状態」をこちらで解決してしまうことや、顧客自身で問題を解決するための方法を提示することが求められます。お問合せ対応のポイントとしてよく言われることですが、顧客のこの「困っているから何とかしてほしい」という期待を下回ってしまうことが、感情がこじれてクレームになってしまったり、信用を損ねてしまうことにつながっていきます。顧客が抱える問題を解決するために何をすべきか、またどのように答えるべきかを整理し、的確に対応していきましょう。

しかし、上記の点を頭におき、善意と情熱をもって対応をしていても、顧客の期待を裏切ってしまいやすいポイントが2つあります。お問合せ対応を強化するなら、まず、ここに注意してみてください。以下に、それぞれの詳細について説明していきます。
 

よくある2つの失敗

1.時間がかかり過ぎる
2.求められる成果を提供できない

1.時間がかかりすぎる

お問合せ対応の際、一番大切といってもいいのがスピードです。

たとえば日用品を扱うECサイトなど、同じ商品を扱う競合サイトがいくつもある場合に「商品やサービスを買いたいんだけど、やり方がわからない。教えてほしい」というお問合せに迅速な対応ができなければ、致命的な機会損失ですよね。お問合せをしてきたユーザーは、回答を待っている間に、その他のサイトで買い物を済ませてしまうかもしれません。(この問題を解決するためにチャットサービスを導入しているサイトも増えています。)

しかしながら、これは日用品を扱うECサイトなど、ライバルの多いBtoCの場合に限ったことではありません。BtoBにおいても「対応スピード」はやはり重要なポイントのひとつです。お問合せに対し、完璧かつ丁寧な対応ができたとしても、その回答が得られるまでの待ち時間が増えれば増えるほど、相手のストレスは大きくなり「期待に応えてもらえた」という感動は小さくなっていくでしょう。反対に、スピーディーな対応ができれば、その事実だけでも思った以上に熱意や誠意が伝わります。良い回答をしよう、という努力はももちろん大切ですが、それ以前の段階で悪印象を与えてしまわないよう、対応スピードの重要性については関係者全員で共通認識を持っておきたいところです。

また、対応スピードのアップのために、商品の詳細・サービスの機能など、対応に複数の関係者の確認が想定されるお問合せの連携フローを整理しておく、時間がかかるなら途中経過の連絡をする、など、対応の内容以前の「お待たせしない工夫」を重ねていきましょう。この工夫には、終わりがありません。内容が伴ってさえいれば、対応スピードは早ければ早いほど喜ばれます。常に工夫を重ね、少しずつでも対応時間を短縮していけたら良いですね。
 

2.求められる結果(情報)を提供できていない

「お問合せをしてきたユーザーが抱えている問題を解決する」と言うとごくシンプルですが、これを実行するのは実はそう簡単ではありません。対面での接客にも通じることですが、お客さん(もしくは見込み客)が困っている時に「自分が何を必要としているのか」ということを、端的に言葉で説明してもらえない場合も少なくありません。うまく説明できないから、という場合もあれば、自分でも自分の要求がはっきりわかっていない、という場合もあります。対応者は、それを整理して的確に情報提供をしなければなりません。「何を求められているか」を理解するのは簡単なことではない、ということを頭において、理解に努めたいものですね。

不思議なもので「自分の要求が相手に伝わったが、結論としては叶わないらしい」という事実と同じくらい「自分の要求が相手に伝わらない、わかってもらえない」ということは、人を苛立たせるようです。これが原因となって問題がこじれ、クレームにつながってしまうケースもあります。対応のスピードを上げることが大切と述べましたが、スピードばかりにこだわりすぎて的外れな対応をしてしまっては本末転倒です。「求めている情報や対応が何か」が不明確な場合には、曖昧なまま情報提供するのではなく、やりとりの回数が増えてもしっかりと相手が聞きたいことが何かをあらためて確認することが早道になることもあります。

お問合せ対応で「問題が解決できないとき」こそ

「利用を検討しているから、サービスについて知りたい」「あなたのところの商品でこんなことしたいんだけど、やり方を教えてほしい」といったお問合せに対し、相手が求めているものを提供できる場合、対応はそれほど難しくありません。より難しいのは「求めているものを提供できない時」です。

技術的資金的問題から相手の要求を叶えることができない時、どう対応すべきかという点も、お問合せ対応の強化時に定めておきたいポイントです。「要望に応えられない」という回答は相手をがっかりさせてしまうでしょう。しかし、要求をしっかり理解して謝罪や事情の説明ができたり、相手の意見に耳を傾ける「意思はある」という姿勢を伝えることができれば、充分納得してもらうことも可能です。

また、多くの人から寄せられるある要望に応えることができない場合、これは商品やサービスを改善することを検討したいですよね。しかし「多くの人から寄せられた要望」は、ひとつひとつ寄せられる時点ではひとりの意見に過ぎません。「数が揃ってこそ重要な情報となる」この情報を後から見つけ出せる体制は整っているでしょうか。顧客との信頼関係を深めるためにお問合せ対応を強化したい、商品やサービスの改善につなげていきたいと考える時には、この点もぜひチェックしてみてください。

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