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オウンドメディアの運用コストを考える

コンテンツ発信によるマーケティングを行い、成果を上げつつコスト削減するためには、作業効率化が欠かせない。ここでは効率化に役立つノウハウの蓄積を主眼においた、オウンドメディアの自社運用ポイントをまとめた。

オウンドメディア運用における「コスト削減」の実際

インバウンドマーケティング・コンテンツマーケティング・オウンドメディア運用など、自社での情報発信を起点とするマーケティングが注目を集めています。各種メディアでも、関連するキーワードを見かける機会が増えていますね。
こうしたマーケティング手法が解説される時、メリットとして「コスト削減」が挙げられることがよくあります。しかし、これはあくまで"条件付き"であることに注意してください。

今回は、あまり語られることのないオウンドメディア運用によってかかる負担や、デメリットを踏まえてのコスト削減方法について解説します。

 
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見かけ上の出費が減る部分、負担が増える部分

コスト削減」は、SEOのメリットとしてあげられることもよくあります。
しかしながら(SEOを自社で手がけている方は実感されていると思いますが)SEOの自社での実施も、けして「タダ」ではありません。時間と手間がかかります。コンサルティングや外部サービスの利用に出費がない代わりに、自社担当者の学習コストや、施策の運用コストが発生するという訳ですね。SEOによって広告出稿やダイレクトメール、営業にかかる費用を減らせたとしても、また別のコストが発生しているのです。

自社で制作したコンテンツを起点とするマーケティングの実施においても、それは同じです。広告出稿にかかる費用等のかわりに、コンテンツ作成等の学習コストや、オウンドメディアの運用コストが発生し、担当者には学習や運用の負担が発生します。
こうした面を考慮せず、他にメインの仕事を持っている社員にオウンドメディア運用を任せても、結果を出すことは難しいでしょう。記事作成を複数の社員で分担し、担当者にかかるコンテンツ作成の負担は軽減できたとしても、効果確認やそのデータを元にした改善、そうしたノウハウの蓄積を責任を持って実施する者がいなければ、コスト削減はもちろん、集客や見込み客の獲得、継続的な運用は極めて困難です。

オウンドメディアの運用にあたっては、専任の担当者をつけることが理想です。
それが無理でも、担当者には学習コスト・運用コストがかかること、時間がかかることを踏まえ、長期的な計画を持って取り組むことをおすすめします。長い目で見れば、それが「コスト削減」につながるためです。
 

オウンドメディア運用のコストを削減する方法

オウンドメディア運用によるマーケティングでのコスト削減は、目標とした数値で成功を収め、コンテンツとノウハウを蓄積してそれを継続できた時にはじめて達成されます。価値あるコンテンツとノウハウは、使い捨てではない「資産」です。以降の運用と管理を楽にしてくれます。

専任の担当者を付け、オウンドメディアの運営を自社で行うことが望ましい最も大きな理由はここにあります。コンテンツ作成や運用を初めからまるごと外部に委託してしまうと、自社でノウハウの蓄積ができず、コスト削減のメリットは半減してしまうでしょう。

インバウンドマーケティング・コンテンツマーケティング・オウンドメディアなどは「日本ではまだそれほど耳になじみのない新しいマーケティング手法」というイメージがありますが「価値ある情報を発信することで見込み客との関係を深め、コミュニケーションを取りながら利益につなげる」というアプローチそのものは、営業活動という大きな枠組みで見れば、特に新しいものではありません。

ウェブを使った情報発信やその効果確認などの技術は日々発展を続けています。マーケティングに利用されるツールも、それに伴い変化し続けることが予想されますが、コンテンツの作成ノウハウや、オウンドメディアやSNSを介した顧客とのコミュニケーションのスキルは目減りしにくい価値を持っていると言えるでしょう。

そうした点からも、オウンドメディアの開設にあたっては、規模は小さくとも、まずは自社で運用してみることをおすすめします。ノウハウを蓄積し、かかる費用やそれに見合った効果を確認した上で、コンテンツ作成やSNS運用などを部分的にアウトソーシングをしたり、作業効率化のためのツールやサービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
 

最小単位のオウンドメディア運営計画サンプル

オウンドメディア」というと大きな組織のようですが、自社ブログも立派なオウンドメディアです。

ここには、自社ブログのようなコンパクトな形式でオウンドメディアを運用していく場合にも使える、計画項目とその具体例をまとめてみました。

自社のオウンドメディア構築計画にお役立てください。
 

計画項目とその例

(1)目的を明確にする
例)集客経路を作る/ターゲットとのエンゲージメントを高める 等

(2)ターゲットを設定する
例)業種を問わず、営業職の20代〜30代の男性/首都圏に住む30代〜40代の専業主婦 等

(3)規模を想定する
コンテンツのレベル:
例)自社社員が業務知識を発信する/専門家へのインタビューや取材コンテンツも交えて発信する 等
更新ペース:例)週3回更新/毎日3回更新 等

(4)担当者を決める
管理担当:例)ウェブサイト運営担当が管理
コンテンツ作成担当:例)自社社員全員で分担
SNS運営担当:例)ウェブサイト運営担当が兼任もしくは適任者がいれば任命

(5)運用の流れを決める
管理担当がコンテンツ作成の計画表を作成し、各担当者が作成したコンテンツを投稿、SNSにも投稿
SNS拡散状況や問い合わせ数を集計し、結果をもとに次の計画を作成 等
 

ここでコスト削減!運用計画のポイント

オウンドメディアの自社運用に取り組む企業の多くは、コンテンツ作成や編集など「メディア」としてのノウハウを最初から持っている訳ではありません。

そのため、オウンドメディア運用によって成果が上げられるか・コスト削減できるかどうかは、自社の人材をうまく活用できるか、適切な運用体制づくりができるかという点に大きく左右されます。

以下、計画時に考慮したい点を2つまとめました。オウンドメディア開設にあたり、取り入れられる点がないかチェックしてみてください。


オウンドメディアを計画する際のポイント

(1)担当者の特技を活かす

普段からブログで情報発信していたり、SNSでの多くの人との交流に慣れた人材がいると、コストを大きく削減できる可能性があります。積極的にオウンドメディア運営への参加してもらいましょう。
以下のような習慣がある人も担当者向きです。
・普段からウェブ媒体のニュースに親しみ、目を通している
・写真撮影が好きで、画質や撮影方法などにこだわり楽しんでいる
・投稿型SNSでイラストなどの作品を公開したり、他ユーザーとの交流している

(2)モチベーションを上げる体制づくり

他にメインの仕事がある社員同士がコンテンツ作成を分担する場合、モチベーションを維持することは難しいかもしれません。そうした事情も考慮して、オウンドメディア運営にあたっては目的目標をあらかじめ明確にし、共有しておきましょう。PVや問い合わせなど、訪問ユーザーからのリアクションがモチベーションになる人も多いためです。できればそうしたデータを関係者の誰もが、いつでも見られるシステムを作っておきたいところです。

※オウンドメディアの目的は多くの場合、アクセスを増やすことだけではありません。アクセスやリアクションにこだわり、企業や専門家としての信用につながる内容の濃い記事や、ブランドイメージ構築につながる記事の優先度が下がってしまうことは望ましくありません。
そうした面は、効果測定やコンテンツ作成計画を担う「編集長」である管理担当者がフォローしていきましょう。アクセスや問合せなど、目に見える成果が見えにくいメディア開設初期はなおのこと、そうしたフォローが重要です。

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