「顧客管理」で検索すると、「顧客管理 エクセル」「顧客管理 テンプレート」など、無料フォーマットを探すための複合キーワードが上位にサジェストされます。まずは手軽で費用のかからない方法で顧客管理を効率化してみよう、と考える方が多いのでしょうね。その需要もあって、Web上にはたくさんの顧客管理用無料フォーマットが公開されています。

無料フォーマットを利用するメリットはなんといっても無料であること・気軽に使えることでしょう。利用するのはどんな業種にも共通する基本的な顧客情報のみ。これを整理して顧客対応やDM発送等に使いたい、というようなケースでは、この方法で充分間に合わせることができるでしょう。

ただし、多くの場合、こうした無料の汎用テンプレートには、業種に合わせた細かな情報入力欄などは用意されていません。場合によっては、必要な項目や機能を自分でカスタマイズする必要が出てくるでしょう。細かな情報管理をしたい、メルマガの発送など顧客情報をさらに活用していきたいと考えるなら、やはりその他の有料ツールを検討した方が良さそうです。
 

PCからの利用を想定した顧客管理アプリケーションの多くは、業種別のフォーマットをあらかじめ搭載しています。マッチするフォーマットがあれば、カスタマイズすることなく、そのままスムーズに使うことができるでしょう。メルマガの送信や住所印刷など、顧客情報を利用する機能を搭載しているものもたくさんあります。普段PCを使わない層の利用を想定し、シンプルでわかりやすいインターフェイスを整えたものも選択肢に入れることもできるでしょう。データの共有が不要な場合なら、スタンドアローンのアプリケーションを使うことで、導入も簡単に済ませることができます。

ただし、自社のWebサイトやSNSでの活発な情報発信や、メルマガ発行など、多角的なWebマーケティングに注力している（していきたい）という場合には、顧客管理専用アプリケーションの導入には、慎重になる必要があるかもしれません。後述しますが、現在、顧客管理の方法は多様化しています。多方面に展開するWebマーケティングプロセスの運用・管理と顧客管理を兼用していたり、連動アプリケーションを提供するサービスも複数あります。

パッケージソフトは安価で導入しやすい反面、後から必要に応じてカスタマイズをする、という使い方には対応していません。今はまだその必要がなくても、今後の可能性があるなら、その他機能を持つアプリケーションとの連携が可能な顧客管理方法・ツールを検討してみる価値はあるでしょう。
 

買い物をしていて、iPadをレジ代わりにしている店舗に出会ったことはないでしょうか？最近では、個人店舗だけでなく、チェーンや百貨店でもこうしたシーンを見かけるようになりました。

モバイル端末用のアプリも、顧客管理機能を持つもの、レジやアンケート用紙の代わりとして使えるもの、端末をスキャナを備えた名刺管理システムに変えるものなど、多彩な機能を持つものが増えてきました。オフィスよりも、店頭で使うなら、こうしたアプリの利用が合っているかもしれません。

しかし、こうしたモバイル端末用の顧客管理アプリの機能は、名刺情報取得して連絡先を管理するなど、シンプルなものが主流です。継続的なメルマガ発信やその他のWebマーケティングとの連携など、さらなる顧客情報の活用を考えるなら、アプリ単体でなく、その他ツールとの連携が必要になるでしょう。

ステップメールをいくつも用意しておきたい、メルマガの配信数が多い、HTMLメールを使いたい、アクセス解析もしっかりしたい……など、メールマーケティングに力を入れたいケースでは、顧客管理ではなくメール配信システムに軸足を起き、ツールの運用を考えてみるという選択肢もあります。

顧客管理にメルマガは必須ではありませんが、メルマガ配信には顧客データベースが必要です。そのため、多くのメール配信システムはメール配信システムと顧客管理システムを合わせて提供していたり、既存の顧客管理システムとの連動に対応しています。

また、活発な情報発信をWebマーケティングの起点とするなら、顧客管理機能を備えたCMSを検討するのも良いでしょう。CMSと聞くと、WordPressなどシンプルな無料サービスを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、それ以外にも、さまざまな機能を備えた多彩なCMSがあります。

多くのCMSのメイン機能は、HTMLなどの知識がなくても自分で更新できるWebサイトの構築や運営ですが、種類によっては、顧客管理はもちろん、アクセス解析やメルマガ配信、カートシステムなど、Webマーケティングを便利にするさまざまな機能をあわせ持つものがあります。

新規顧客を獲得するメインの手段をWebサイトと考えるなら、こうして顧客管理以外のメイン機能を持つツールの利用を検討するのも、方法のひとつと言えるでしょう。