「Webマーケティングツール」と一口にいっても、その機能はさまざまです。そして、面白いツールがたくさんあるため、数多くの無料ツールをラインナップした紹介記事もよく見かけます。しかし一方で、そうしたたくさんのツールを実際にこう役立てた、という記事はあまり見かけません。

数々のSEO診断ツールを使って自分のサイトや競合サイトをチェックしてみたはいいが、その結果を何にどう活かせばいいのかわからない……と思ったことがある方、少なくないのではないでしょうか。

もちろん、すべてのツール紹介記事や無料ツールが役に立たないというつもりはありません。しかし、役に立つツールも、知られているのはその機能にとどまり、どう活用するか、という点についてはあまり浸透していないことが多いように感じます。せっかくのお役立ちツールも、活用方法がわからないままでは「なんとなく」「使ってみただけ」で終わってしまいやすいのではないでしょうか？ それでは、ちょっともったいないですよね。

というわけで、ここでは、無料で使える3つのWebマーケティングツールと「使ってみただけ」で終わらせないための活用方法を紹介します。ぜひお試しください。

 

前回の記事でも紹介しましたが、Googleは先日、検索結果ページに「スマホ対応ラベル」を表示させる取り組みをスタートさせました。ここでご紹介するのは、このラベルの表示条件に適合しているかどうかを調べるためのツール「Mobile-Friendly Test」です。

Mobile-Friendly Testは、指定サイトにスマホ対応ラベルが適用される可能性があるかどうか調べるためのツールですが、ラベル適用条件に合致しなかった場合（スマホ対応サイトとして何らかの問題があると判定された場合）、問題点をリストアップして返してくれます。実際にいくつかのサイトでテストしてみた結果、文字サイズが小さすぎる・リンク同士が近過ぎるためタップしにくい・画面サイズをスマホ対応させていないため横スクロールが発生してしまう……などの点が提示されることが確認できました。

Mobile-Friendly Testは現在のところ、ツールそのものも付属する資料も、まだ英語版しか用意されていません。そのため、これからスマホ対応を始める人とっては、問題点を確認したあと「じゃあ具体的に何をすれば良いのか？」という点が見えにくい側面がありますが、すでに日本語化されたGoogleウェブマスターヘルプのスマホ対応関連の記述（「モバイル ユーザビリティ」https://support.google.com/webmasters/answer/6101188など）と合わせて使えば十分、これからすべきことを把握できるでしょう。

まずは、自サイトのスマホ対応が問題なく済んでいるか、確認してみてはいかがでしょうか。

Mobile-Friendly Test（https://www.google.com/webmasters/tools/mobile-friendly/?utm_source=wmc-blog&utm_medium=referral&utm_campaign=mobile-friendly）

SimilarWebは、URLを指定するだけで、そのサイトのアクセス状況について知ることができるツールです。Google Analytics等、サイトの管理権限が必要なアクセス解析ツールは他にもありますが、自分に権限のない外部サイトについても調べることができるのが、SimilarWebの便利なところですね。

SimilarWebには無料版と有料版がありますが、無料版でも以下のような項目を確認できます。

・過去6ヶ月のアクセス数推移
・過去3ヶ月の流入元、流入キーワード、流入SNS 等

特に、ライバルサイトが多くの流入を獲得しているのは検索なのかSNSなのか（SNSならFacebookなのかTwitterなのか）など、訪問ユーザの流入元を詳しく確認できる点からは、自サイトのWebマーケティングに役立つ大きなヒントが見つかることもあるでしょう。いろいろなサイトを調べてみるとわかりますが、どのチャネルが有力なのかはサイトによってかなり違います。同じカテゴリの商品・サービスを扱うサイトや、商品やサービスのカテゴリは違うものの、ターゲットが似ているサイトなどを調べてみてください。Webサイトの集客に行き詰まりを感じている、という人は、方向性を根本から見直したくなるような情報が見つかるかもしれません。

SimilarWeb（http://www.similarweb.com/）
 

Google Analyticsでも検索流入キーワードの確認がしにくくなった今「より多くの検索流入を得るためにどんなキーワードを使うべきか？」は、誰にとっても悩みの種です。検索数の多いキーワードを調べるツール、検索時に提案される検索補助キーワードを調べるためのキーワードサジェストツールなど、各種キーワードチェックツールを使ってヒントを探している方も多いことでしょう。しかし、個人の意見ではありますが、純粋に「検索流入を増やすためのキーワードが知りたい」という場合には、サジェストワードを調べるツールを使う必要はないように感じています。

検索ユーザーの手間を省くために自動入力される検索キーワード（サジェストワード）は、過去の検索ユーザーの入力内容などから自動生成されるものです。つまり、キーワードプランナーなど、検索数の多いキーワード・複合キーワードを調べるツールを使えば、サジェストキーワードも同時にある程度の予測が可能です。

サジェストワードをチェックするツールの多くは、ログイン不要でそのまま使うことができます。一方、キーワードプランナーを含むキーワードチェックツールは、アカウント作成・ログインが必要、という手間がかかります。しかし、軽い下調べでなく、本気で検索流入を得られる可能性のあるキーワードをピックアップし、具体的な記事のアウトラインを組み立てたいという時には、やはりキーワードリストだけでなく検索数まで比較しながら探せるツールを使ったほうがベターです。

キーワードプランナーには複雑な機能がありますが、トップに表示されるメニューの一番上「新しいキーワードと広告グループの候補を検索」を選択し、調べたいキーワードを入力すれば、検索数の多いキーワード・組み合わせキーワードをすぐに参照できます。
 

ログイン不要のツールに比べれば手間はかかりますが、ツールを使ってみるまで気付かなかった思わぬ有力キーワードが見つかることもあるので、ぜひ一度お試しください。

キーワードプランナー（https://support.google.com/websearch/answer/106230?hl=ja）
 

今回3種のツールを紹介しましたが、どれも調査結果を元にサイトを改善したり、コンテンツ作成に活用してこそのものです。ぜひ実際に使って、自サイトの集客のヒントになる情報を取り出してみてください。

どんなサイトにも、運営にかけれられる時間やリソースには限界があります。便利な（あるいは、便利と言われる）ツールはたくさんありますが、ただなんとなく使ってみるだけでは、単なる時間の無駄になってしまうかもしれません。

「大事なのはコンテンツの質」とよく言われますが、SEOにおいても訪問ユーザーにとっても、良質なコンテンツが豊富にあれば評価が高まるの＝コンテンツの量があって損はない、というのもまた事実です。本当に役立つツールを活用し、どんなサイトにとっても貴重なリソースである時間を有効活用していきましょう。